世界大百科事典(旧版)内の氏祭の言及
【氏神】より
…なお本来の氏神祭祀には族長(氏上,氏宗)のほかに一族の女性が司祭した形跡が注目される。《三代実録》元慶3年(879)11月条に橘氏の氏神,梅宮(うめのみや)が仁明天皇の母橘嘉智子(嵯峨天皇皇后)のまつり仕えた神社であることが示されており,さらに明確には《権記》長保2年(1000)1月28日条に筆者である藤原行成が藤原氏出身の皇后は本来春日社や大原野社の〈氏祭〉をなすべきことを主張している。氏族が神孫を主張する根拠に一族の女性との神婚譚があり,制度的には伊勢神宮に斎宮,賀茂社に斎院,春日社に斎女を置いた例をみると,古く祖先神を氏神とする場合に一族の女性司祭が重んじられたことがうかがわれる。…
※「氏祭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」