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民族紛争 みんぞくふんそう ethnic conflict

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知恵蔵2015の解説

民族紛争

一般には、民族が主体または攻撃対象となった紛争を一括した言葉。大別すれば、(1)複数の民族間の武力抗争(スリランカルワンダなど)、(2)少数民族の政治化した運動(東ティモールチベットチェチェンなど)、(3)複数国家に分属させられた民族集団の自治・統合運動(クルド人バスク人など)、(4)複数のエスニック・グループが混住していた地域から支配的集団が他集団を強制的に排除するような「民族浄化」など。冷戦終結後、地域紛争を根深い「民族紛争」としてとらえ、歴史の宿命のように描き出す傾向が強まった。それは、民族の差異が紛争の根本原因だとする考え方だ。しかし「民族紛争」と呼ばれる事例でも、民族間の差異そのものが武力紛争や原因だとはいえない場合も多い。例えばセルビアの旧共産党勢力が、自らの権力維持のために民族主義に乗り換え、膨張主義的な大セルビア主義を打ち出したことが、武力紛争の大きな原因となった。同時に、民主化と市場経済化の外圧に抵抗して、旧体制下の権力を維持する機能も持っているといわれる。体制の構造に起因した紛争が民族主義を燃え立たせ、その結果民族間の殺し合いの様相を帯びるようになる場合も多い。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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世界大百科事典内の民族紛争の言及

【少数民族】より

…フランスのブルト・コルシカ・オック語系の人びと,フランコ独裁下のカタルニャ人,イングランドによるアイルランド,ウェールズ,スコットランドの人びとは,いずれもエスノサイドの惨事に遭遇している。 しかし,多民族国家では必ず民族紛争が発生する,ということはできない。潜在的な民族紛争を政治的制度化によって管理することは可能であり,少数民族内部の政治エリートと支配的民族のそれとの政治的妥協,より進んで両集団の政治参加を保障する連邦制の形成によって,多民族国家でありながら政治秩序を維持した例が数多くみられる。…

※「民族紛争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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