永遠のローマ(読み)えいえんのろーま

世界大百科事典(旧版)内の永遠のローマの言及

【ローマ没落史観】より

…成長せしものは老いる〉と述べ,ホラティウスは内乱と道徳の乱れに国家の終末を予見した。それがゆえにアウグストゥスによる内乱終結と元首政樹立は〈永遠のローマ〉理念の謳歌を生み出すが,ローマ没落観は帝政期にもなお存続した。セネカは〈すべて死すべき者がなせし事は死すべき運命にある〉と述べて自らの時代を人間の老年にたとえ,2世紀の歴史家フロルスはカルタゴ炎上からグラックス兄弟の改革までの時期にローマ国家の変容を認めた。…

【ローマ理念】より

…その代弁者シンマクスは,永遠であるはずのローマの現今の老齢化は異教の不当な迫害ゆえと断じ,父祖伝来の宗教の尊重を訴えた。この異教側からの攻撃に応えてプルデンティウスは,真の神信仰へと悔い改めたローマは,今や聖使徒ペテロとパウロに守護された新聖都として永遠の支配を与えられたと歌い,伝統的な〈永遠のローマ〉理念をも包摂して,エウセビオス以来のキリスト教的ローマ理念を完成させた。これを粉砕したのが,410年の西ゴートによるローマ市略奪という事件であった。…

※「永遠のローマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」