決定論的力学(読み)けっていろんてきりきがく

世界大百科事典(旧版)内の決定論的力学の言及

【非線形力学】より


【カオスchaos】
 前述の例の二,三ですでに見たように,微分方程式(1)や定差方程式(2)の解である非線形力学系の特徴として,個々の軌道を解析的に追跡することが不可能な不規則運動の出現することが明らかとなり,これらを総称してカオスと呼ぶのが例となっている。元来,方程式(1)または(2)ではある時刻における変数xの値が与えられたとき,それ以後の時刻でのxは一義的に定まるはずで,〈決定論的力学〉と呼ばれるものである。これに対し,実在するランダム力(ノイズ)によって駆動される力学系で軌道が確率的にしか定められないものもあり,〈確率過程〉と呼ばれているが,カオスの現象は決定論的力学の中にあたかも外見上確率過程と同じ様相を呈するものがあるということを意味し,自然法則の決定性と蓋然性との橋渡しをしているという意味で,現代非線形力学の一つの中心課題となっている。…

※「決定論的力学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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