世界大百科事典(旧版)内の法華信仰の言及
【天台宗】より
…むしろ日本天台は,山門や寺門の外に出て,文学や美術の世界に新しい美意識を生む。衆生本来仏なりという日本独自の本覚法門は,禅や戒の形を変えて新しい女人成仏論を育て,衆生の範囲を草木国土にまで広げることで,幾多の法華信仰を主題とする文芸を生み,《法華経》に説かれる写経の功徳信仰が扇面写経,経塚の美術を育て,法華賛仰の法会の組織,読誦,講説の拡大より,風流念仏や能楽の再編を経て,近世の通俗講談や説経節の誕生を導く。近代日本の文芸にも法華信仰をテーマとするものがみられ,新宗教の運動の多くが日蓮教学の再編より出ていることも,注目してよい。…
※「法華信仰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」