世界大百科事典(旧版)内の注察妄想の言及
【精神分裂病】より
…病者はまず,まわりの世界がいつもと変わって,なにか起こりそうだと感じ(妄想気分),周囲のできごとをみな自分に結びつける(関係妄想)。街へ出ると,他人から変な目で見られ(注察妄想),あとをつけられ(追跡妄想),家では,食べものが変な味で(幻味),毒が入っていると思い(被毒妄想),食事をとらない(拒食)。自室にこもるようになるが(自閉),自分の悪口を言う声が聞こえ(幻聴),または自分の考えることが外から声として聞こえ(考想化声),自分のことが周囲に漏れていると感じ(考想伝播),動静がまわりの人にわかるのは部屋のどこかに盗聴器やカメラが仕掛けられているためと考える(説明妄想)。…
【被害妄想】より
…被害妄想は臨床的にもっとも多い妄想であり,さまざまな精神病に出現するが,とくに妄想分裂病に特徴的といえる。被害妄想の中には,〈注察妄想〉(じろじろ見られる),〈追跡妄想〉(あとをつけられる),〈被毒妄想〉(毒を入れられる),〈物理的被影響妄想〉(電気,光線,機械などを使って身体的に苦しめられる)などが入れられる。【小見山 実】。…
【妄想】より
…(1)被害的内容のもの 自己の身体,財産などに危害,被害を加えられるという内容。たとえば関係妄想,被害妄想,被毒妄想(毒物を盛られたと確信するもの),追跡妄想(つけねらわれていると確信するもの),注察妄想(注目,観察されていると確信するもの),嫉妬妄想(つれあいの不貞を確信するもの)など。(2)誇大的内容のもの たとえば誇大妄想,血統妄想(高貴な出であると確信するもの),発明妄想(世紀の大発明を行ったなどと確信するもの)など。…
※「注察妄想」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」