世界大百科事典(旧版)内の流域神殿の言及
【エジプト美術】より
…たとえばフルーティング(溝彫)や胡麻殻決(ごまがらじやくり)をつけた柱も,多くはナイル流域に育つ植物の形を模していた。ギーザの第1ピラミッド(底辺230.4m,高さ146m)は,ピラミッド前面の葬祭神殿と,ナイルの谷にのぞむ〈流域神殿〉を長い廊下でつないでおり,墓所の性格を最も明確に示している。柱は単純な角柱となり,すべての建物は単純で抽象的な形の部材で構成されていた。…
【ピラミッド】より
…中王国のピラミッドはファイユーム地方やテーベにもみられる。 ピラミッドは王の遺骸および副葬品を納置すると同時に,現世にあっては神の化身として宇宙秩序(マアト)をみずからの手で維持し,死後は神々の一員としてこれを保証する存在となるファラオのための供養と祭儀の場でもあるため,ピラミッド本体のほか葬祭殿(上神殿),流域神殿(下神殿),両者をつなぐ参道,周壁,ときには舟坑で構成される。この〈ピラミッド複合体pyramid complex〉を囲んで王妃の小ピラミッド,王族・貴族のマスタバが整然と配置され,現世の国家秩序を来世に投影している。…
※「流域神殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」