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海外交通・都市開発事業支援機構 かいがいこうつう・としかいはつじぎょうしえんきこう

知恵蔵の解説

海外交通・都市開発事業支援機構

鉄道、海運などの交通事業都市開発事業を海外で行う事業者を支援する官民のファンド。通称インフラファンド、略称はJOIN。日本の事業者の国際市場への参入促進を図り、日本経済の持続的成長に寄与することを目的としている。「株式会社海外交通・都市開発事業支援機構法」に基づき、日本政府が株式の半数以上を保有する株式会社として、出資金約100億円で2014年10月に設立された。15年度の財投計画では、政府出資、政府保証合わせて700億円を見込む。
国内では交通事業・都市開発事業は、少子高齢化などにより多くの発展を望めない一方、アジアなど新興諸国では、インフラの整備が急務となっている。OECDなどによれば、全世界でのインフラ事業は年間230兆円、アジアだけでも80兆円に達する。その一方で、多額の資金を要することから、投資の回収は長期間を要すると共に、新興国特有の政治リスクや、商業的リスク、自然災害など様々なリスクが想定される。このままでは、民間企業が、インフラ輸出に参入するのは困難であることから、国土交通省肝煎りで、交通インフラの海外輸出を官民連携により進めるものとして発足した。日本企業が連合して海外インフラのプロジェクトに参入、JOINが出資、参画して、ハードソフトファイナンスなどを一体化した、官民一体の「パッケージ型輸出」を促進する。インフラ輸出の対象事業は、鉄道、高速道路、物流事業、船舶、海洋開発、港湾や空港の整備、都市開発事業など。15年10月に、ベトナム鉄スクラップや鉄鋼製品などを扱う港湾ターミナルを整備・運営する事業へ出資すると発表した。国土交通省の認可を受けるのは、これが初の事例となる。
アベノミクスの呼号に勢いを得て、成長戦略に沿うものとして、こうした官製ファンドが次々と設立されている。
天下りの蔓延(まんえん)や癒着を危ぶむ以外に、全体で1兆円にも満たない民間の投資ファンドを圧迫し、その成長を阻むことにもつながるのではないかとの批判もある。

(金谷俊秀 ライター/2015年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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