世界大百科事典(旧版)内の海難防止対策の言及
【海難】より
…日本における要救助船舶の発生隻数は年によって多少の増減はあるがおおむね1800~2400隻の間であり,そのうち,乗揚げ,衝突,機関故障の三つの合計が全海難隻数の50~60%を占めている。
[海難防止対策]
海難の発生原因は,環境によるもの,船体や機械によるもの,運航に従事する人によるものに大別できるが,環境に関係する事がらのうちで台風や季節風などの予報システムは,人工衛星を利用した気象観測やコンピューターを使った予想天気図の作成のような技術が進んで,荒天による海難の減少に大きく貢献している。濃霧などによる視界不良に対しては1940年代までの船員はほとんど盲目に等しかったが,近年は少なくとも一般商船にはレーダーが完全に普及していて,この利用法を誤らなければ狭視界の中でも衝突や乗揚げ事故は起こりえないところにまで達している。…
※「海難防止対策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」