世界大百科事典(旧版)内の消防章程の言及
【消防】より
…日本の近代的な消防の幕あけは,1872年に江藤新平の随行員として欧州各国に出張し,警察および消防制度を視察して帰国した川路利良の意見とその施策によるところが大きいとされる。74年1月28日には現在の消防組織法および消防法の元祖といえる〈消防章程〉が制定され,フランスからイギリス製の腕用ポンプなどを輸入して機械化を図り,また80年には長年の消防組の習慣の改善をねらいとして,軍隊式消防隊を組織するために消防専門職員である消火卒を300人募集している。しかし消火卒による消防隊は,従来の公設消防組や私設消防組と対立して紛争が絶えなかったほか,消防技術でも劣るものがあり,さらには東京府の予算削減などで結局は皇居に係る消防隊のみが残されて,他の部隊は創設の翌年に廃止され,以後は従来の公設および私設の消防組によって東京の消防が行われた。…
※「消防章程」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」