淀魚市(読み)よどのうおいち

世界大百科事典(旧版)内の淀魚市の言及

【市】より

…それとは別に,中世後期から一定の職種を専門とする卸売市場が各地におこった。その早い例として,南北朝期,淀川を上ってくる塩,塩合物(塩魚)に限って独占的に商う淀魚市があった(魚市)。これは石清水八幡宮に所属する神人である淀魚市問丸が,着岸強制権と専買権を有したもので,その卸売市場であった。…

【魚市】より

…魚介類を専門に取り扱う市場。《玉葉》文治4年(1188)9月条にみられる〈魚市〉は淀魚市と思われ,鎌倉の初期すでにその成立をみて京都への魚介類販売を行っていた。最初は鮮魚を主としたが時代がくだるにしたがって,塩や腐敗のおそれの少ない塩合物の類を専門に取り扱うようになった。…

【淀】より

…その収入は1341年(興国2∥暦応4)の園城寺への関務請負額では1100貫であった。 一方,淀津には,淀魚市が鎌倉初期から存在しており,塩や塩合物(塩魚)専門の市場として,鎌倉末期にはそれらを積む船の着岸強制・購入独占権を有していた。1306年(徳治1)〈東寺百合文書(評定引付)〉によれば,年貢船であることを示す笠符をもたなかった東寺領弓削島荘からの塩船が淀魚市に抑留された事件があり,年貢物以外の商品塩等についての独占権をみることができる。…

※「淀魚市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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