世界大百科事典(旧版)内の混銑車の言及
【高炉】より
…SとPがスラグと銑鉄に分配される反応は,滴下帯ならびにスラグと銑鉄が上下2層になってたまっている炉床部とを含む領域で進行するが,銑鉄の温度とスラグ中のCaO濃度が高いほど,Sはスラグに吸収されやすい。 炉床に蓄積されたスラグと銑鉄は1日に10~12回,間欠的に出銑口を通して炉外に排出され,銑鉄は混銑車(トーピード・カー)によって製鋼工場に輸送されるか,あるいは鋳銑機により小塊の型銑として冷却される。 以上のように高炉内では上昇するガスと降下する鉄鉱石,コークスとが向流状態をなしているので,その状態をつねに安定にしておくことが重要であるが,まれには,鉄鉱石とコークスの交互層の降下が停止する。…
【混銑炉】より
…混銑炉は平炉全盛時代に非常に普及し,転炉製鋼に移行するにつれ大型化した。近年の新鋭大型一貫製鉄所における溶銑の輸送,貯蔵のためには,従来の取鍋(とりべ∥とりなべ)‐混銑炉方式に代わって,能率ならびに設備費や作業費の点から比較的経済的である混銑車(トーピードカーtorpedo car)方式がより多く採用されるようになっている。混銑車は保温力の優れた大容量(貯銑容量250~400t)の溶銑輸送容器であり,2台の台車の上に耐火煉瓦で内張りした炉体をのせた構造になっている。…
※「混銑車」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」