漂泊伶人(読み)ひょうはくれいじん

世界大百科事典(旧版)内の漂泊伶人の言及

【語り物】より

…平安時代になると《大鏡》に登場する世継翁(よつぎのおきな)のように,歴史的な物語を語り伝える老翁も現れていたらしく,《今昔物語集》や《宇治拾遺物語》の原説話を語り伝えた者もいたらしい。また,古代の語り部に系統をひくと思われる民間の漂泊伶人も活躍していたらしく,彼らは特殊な呪術宗教者であったが,その呪術宗教とかかわりながら,死者の鎮魂などのために合戦の様子などを語り,また,祝福芸などをも行ったらしい。このことは《将門記(しようもんき∥まさかどき)》の末尾に将門の冥界での消息を伝える記述があることや,《新猿楽記》に〈琵琶法師之物語〉が〈千秋万歳之酒禱(さかほかい)〉と対記されていることなどからうかがわれる。…

※「漂泊伶人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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