漆塗鞘(読み)うるしぬりさや

世界大百科事典(旧版)内の漆塗鞘の言及

【鞘】より

…また装飾は実用的で各時代を通じて最も多い黒漆塗のほか,梨地,沃懸地(いかけじ),蒔絵,螺鈿などをほどこした華麗なもの,また鮫革包や金銀銅板を蛭巻(ひるまき)したり,あるいは透彫りした薄板を伏せたものも現存する。このように鞘にはさまざまな加飾が行われているが,とくに江戸時代の漆塗鞘には非常に多種の技法がみられ,漆工芸史上も注目すべき位置をしめている。なお,太刀の漆塗鞘には官位による規定があり,公卿は梨地蒔絵螺鈿,五位以上は梨地蒔絵,検非違使(けびいし)は沃懸地,六位以下は黒漆とされていた。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」