世界大百科事典(旧版)内の漸移地帯の言及
【圏構造】より
… アメリカ人の都市社会学者E.W.バージェスが1925年,シカゴを調査地域にとり,都市の地域構造の理論として同心円構造論を発表した。これは,都市域で中心部すなわち都心(バージェスは中心業務地区Central Business District(CBD)とよぶ)を取り巻いて漸移地帯,労働者住宅地帯,中・上流住宅地帯,通勤者地帯と同心円状に分布するという圏構造をみせている。シカゴのような大都市では都市および都市圏を動かす行政,経済,文化などの中枢的機能の集中した都心が形成される。…
【スラム】より
…都市の過密集住地域。貧民街(窟),細民街,あるいは不良住宅地区などともいわれる。スラムslumは,眠り,まどろみを意味する英語slumberに由来するといわれ,1820年代からその用例が見られる。産業革命以降に推進されてきた都市化は,大量の人口を都市に集中させ,都市生活に不適応な者をも生み出していった。職業を失っている者,特殊な職業に従事する者,異なった民族に属する者などはその不適応な生活をお互いに防衛し,都市社会の淘汰作用metabolismから逃れるために集団化し,結合を固める。…
【都心】より
…都市地域の中心部。都市活動の諸機能が集中し,高層建築物が密集しており,市街地全体からみると面積的にはかなり狭い地区である。最高地価点を含む高地価地区で,狭義には最高地価の地点を都心という。しかし普通はその周辺の地区をも含めて都心といい,都心部あるいは都心地区とも呼ばれる。CBD(central business districtの略。中心業務地区)もほぼ同義語に使われる。市街地や都市圏から到達に便利な地区に集心性をもつ諸機能が集中し,さらに集積の利益を求めて同種の機能が集まり,他種の機能と隔離する。…
※「漸移地帯」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」