世界大百科事典(旧版)内の炭焼藤太の言及
【金売吉次】より
…吉次伝説は全国に広く分布し,昔話としても語られ,その遺跡と称するものも多い。各地の伝説では,吉次を炭焼藤太の名とも,その子の名ともされ,あるいは黄金採掘で富を築いた富豪の名とも,その召使の名ともされ,一面では致富譚として伝えられ,他面では非業の死を遂げる没落譚として伝えられる。《平治物語》に義経の郎従堀弥太郎を金商人とし,《弁慶物語》に〈金細工の吉内左衛門信定〉〈腹巻細工の四郎左衛門吉次〉なる者が登場し,《平治物語》《烏帽子折》に義経元服の地とされる鏡宿が鋳物師(いもじ)村とも称されたことなどから,炭焼・鋳物師・金細工・金商人は相互に交流があって,これらの漂泊民が義経・吉次伝説の成長・伝播などに関与したのではないかと推測されている。…
【炭焼長者】より
…初婚型は,妻の教えによって黄金の値打ちを知り,富を得るもので,身分のある娘が占いによって炭焼きに嫁ぐ例が多い。この話は,炭焼藤太の伝説としても各地に伝えられている。津軽藩主の系図の中にも組み込まれている。…
※「炭焼藤太」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」