烏滸絵(読み)おこえ

世界大百科事典(旧版)内の烏滸絵の言及

【春画】より

…男女の秘戯を描いた絵。古くは〈おそくず(偃息図)の絵〉〈おこえ(痴絵,烏滸絵)〉といい,〈枕絵〉〈枕草紙〉〈勝絵(かちえ)〉〈会本(えほん)〉〈艶本(えんぽん)〉〈秘画〉〈秘戯画〉〈ワじるし(印)〉〈笑い絵〉などともいう。あからさまな秘戯の図ではなく,入浴の場面など女性の裸体を見せる好色的な絵は,別に〈あぶな絵〉と称して区別している。…

【日本美術】より


[日本美術の発祥――縄文美術]
 日本美術の歴史は,以前は弥生時代,古墳時代あたりから説をおこされるのが普通であったが,近ごろでは縄文土器の芸術性が認識され,縄文時代にさかのぼるものとされている。遺品にてらしてみるならば,縄文土器の加飾法が進んで美的効果を伴うようになった縄文早期後半あたりから日本美術の歴史が始まるとみてよいだろう。以後,前300年ころ北九州に出現した弥生土器によって代わられるまでの間,縄文土器は,動的な中期,静的な後・晩期と,文様と器形とが有機的に呼応しながら独得の展開をとげた。…

【風刺画】より

…画家がその対象(特定個人,職業,階級,社会の風習,政治的事件,著名な物語や寓話など)を風刺するために,意図的に誇張,逸脱したり,グロテスク化することなく,むしろ客観的に観察し,リアルに表現した作品。一般にはカリカチュア(対象の特徴や欠陥を極端にゆがめて嘲笑する戯画)と同義に解されがちだが,厳密にいうと風刺画にはカリカチュアの手法が用いられる場合とそうでない場合とがある。ここでは後者の作例について述べ,前者については〈カリカチュア〉の項目を参照されたい。…

【漫画】より

…それは気晴しになり,同時に目前の用途から切り離されたまなざしで自分たちの現在を見ることを可能にした。落書ではなく,本式の作品として笑いをさそう目的で描かれたものに,平安朝の烏滸絵(おこえ)の流れがあり,現存の作品として平安末期の《鳥獣戯画》がある。人間社会の約束事が,猿,カエル,ウサギの交渉に置き換えられて,自由な目でとらえられている。…

※「烏滸絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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