世界大百科事典(旧版)内の無足御家人の言及
【御家人】より
…鎌倉時代も後半になると御家人役の負担をめぐって一族間で惣領庶子間の争論も多くなり,また貨幣経済にまきこまれて御家人間の貧富の差が著しくなり,窮乏して所領を失う御家人も多くなった。幕府ははじめ恩領の売買を禁じ,ついで私領の売買にも制限を加え,ついには全面的に禁止し,1297年(永仁5)の徳政令では御家人以外の者の売得した御家人領は無償で取り戻せることにするなど,御家人領の保護につとめたが,一方では所領をもたないものでも御家人(無足御家人)として認めざるをえなくなってきた。かくして守護級の有勢御家人と弱小御家人,東国御家人(西国所領へ地頭として入部)と西国御家人(在国御家人),御家人一族内の惣領と庶子,外様御家人と御内人(みうちびと)(北条氏家督の被官)の対立等が鎌倉時代末期には深刻化し,鎌倉幕府滅亡の一因となったのである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」