世界大百科事典(旧版)内の熱伝導方程式の言及
【拡散】より
…水の中にインキを一滴そっと入れると,いろいろ模様を描きながら沈んでいくが,その際,色のついた部分がゆっくり周囲に広がって薄くなっていくのが見られる。濃い部分が作る模様はインキと水のわずかな比重の差による流れが作り出すものであるが,ゆっくり周囲に広がる現象は拡散である。煙突やたき火の煙が風のない日でも,もくもく上がったりたなびいたりするのは,対流などによるためで,もしまったく静止した空気の中に同じ温度の煙をそっと置くことができたら,煙は非常にゆっくり周囲に散っていく。…
【熱伝導】より
…すなわち,等方的な物体の場合は,物体内の点xにおける温度をθ(x)とすると,その点における熱流QはQ=-κ∇θで与えられる(κは前述の熱伝導率)。これは熱伝導方程式とも呼ばれる。これからxにある単位体積の部分が単位時間に受けとる熱量は, divQ=-div(κ∇θ)となり,これによる温度の時間変化∂θ/∂tは,比熱をc,密度をρとすると, ∂θ/∂t=-(1/ρc)div(κ∇θ)で与えられる。…
【偏微分方程式】より
…ここでcは熱伝導率などによって定まる正の定数であり,fは外部から熱が供給される状態を表す既知関数である。(4)の形の方程式は放物型方程式,または熱伝導方程式と呼ばれる。また物質の拡散現象においても,その物質の濃度uの変化は(4)の形の方程式で記述されるので,この方程式を拡散方程式とも呼ぶ。…
※「熱伝導方程式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」