世界大百科事典(旧版)内の片はずしの言及
【女方(女形)】より
…女方の役は多岐にわたるが,初期には〈若女方(わかおんながた)〉と〈花車方(かしやがた)〉に大別された。若女方には,遊女(《助六由縁江戸桜》の揚巻),芸者(《八幡祭小望月賑(はちまんまつりよみやのにぎわい)》の美代吉),姫(《本朝廿四孝》の八重垣姫),娘(《神霊矢口渡》のお舟)など,花車方には,茶屋の女房の花車(《恋飛脚大和往来》のおえん),片はずし(《伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)》の政岡),奥方(《菅原伝授手習鑑》の園生の前),世話女房(《傾城反魂香(吃又)》のお徳),奥女中(《加賀見山旧錦絵》の尾上),女武道(《彦山権現誓助剣》のお園)などで,身分,年齢,職業などにより違いがある。原則として悪女や老女には女方は扮さないのを習慣としている。…
【歌舞伎】より
… 鬘にも役柄によって定められた類型がある。実事の役に使う〈生締(なまじめ)〉,大盗賊の〈百日鬘〉(大百(だいびやく)),傾城の〈立兵庫(たてひようご)〉,御殿女中の〈片はずし〉などは代表的なもので,基本的なもの数十種と,それらの部分の組合せによる膨大な数の種類がある。上にあげたような代表的な鬘は,鬘の名がそのまま役の性格を示すようになっているのを見ても,歌舞伎の演技・演出の中に鬘が占めている重要性が理解できよう。…
※「片はずし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」