世界大百科事典(旧版)内の片面太鼓の言及
【オセアニア】より
…たとえば,オセアニアを代表するスリット・ドラム(割れ目太鼓)はミクロネシアを除いてほぼ全域で大小さまざまのものが分布しており,遠くへの信号発信具として(セピック川流域のガラム)あるいは舞踊伴奏のリズム楽器として(タヒチのトーエレ)活用されている。膜鳴楽器としての太鼓は,メラネシアとミクロネシア東部で筒形ないし砂時計形の片面太鼓を手でかかえて奏するのに対し,ポリネシアでは鍋形ないし筒形の片面締太鼓を床に立てて奏する違いが目立つ。後者の形態をアジア的なものと見なすことも可能で,他の楽器についてもフィリピン経由でオセアニアに入ってきたと思われるものがある。…
【太鼓】より
…胴が深く筒状になると,側面の形によって円筒形,円錐形,2個の円錐の広い面を接合させた複合円錐形,狭い面を接合させた形とその類似形の砂時計形,俵形などに分類されており,これらの胴には片面または両面に膜が張られているが,鍋形,壺形の胴では1面,杯形の胴では膜は1面で底にあたる面は開放されている。垂直に立てて打たれる片面太鼓では,人間の下半身を模した形に作られているものや,胴を頭に見たてて側面に顔が彫られているもの,あるいは胴の下端に脚状の部分が付けられている太鼓が,主としてアフリカ各地に見られる。材料は木が最も多く用いられ,幹の中心部をくり抜き,空洞にして使用されるが,まれに桶のように板を組み合わせて作られているものもある。…
※「片面太鼓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」