世界大百科事典(旧版)内の牛若丸地獄巡り伝説の言及
【源義経】より
…これに似た伝説に御曹子島渡り伝説があり,奥州滞在中に義経は千島とも蝦夷(えぞ)ガ島とも称される島に渡り,鬼の大王の秘蔵する〈大日の法〉と名づけた兵法を大王の娘の手引きで盗み出すというものである(御伽草子《御曹子島渡り》)。この伝説の島が地獄となると牛若丸地獄巡り伝説となるが,これは牛若丸が鞍馬の毘沙門(びしやもん)に祈って,大天狗の内裏に至り,懇願して地獄を巡り,今は大日如来となっている亡父義朝に会うというものである。この時期で特筆すべき伝説は義経と武蔵坊弁慶との出会いを伝えるもので,《義経記》では五条天神と清水寺でのこととなっているが,五条橋での二人の対戦を描くいわゆる橋弁慶伝説は特に有名である(御伽草子《橋弁慶》《弁慶物語》,能《橋弁慶》など)。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」