牛飼童(読み)うしかいわらわ

精選版 日本国語大辞典 「牛飼童」の意味・読み・例文・類語

うしかい‐わらわ うしかひわらは【牛飼童】

〘名〙 牛車(ぎっしゃ)の牛を使い、牛車を進行させる者。垂れ髪で、水干(すいかん)を着用し、むちを手に持ち、童の姿をしている。少年が多いが、三〇歳、四〇歳の者もいた。牛健児(うしこでい・うしこんでい)。うしかい。
※枕(10C終)二〇三「すこし乗り馴らしたる車のいとつややかなるに、うしかひわらは、なりいとつきづきしうて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の牛飼童の言及

【童】より

… 実際には児童の域を超えているにもかかわらず〈童形〉姿のままで生きた人々もいて,これもやはり童・童子と呼ばれた。牛車(ぎつしや)を扱った〈牛飼童(うしかいのわらわ)〉もその一例であるが,ほかには公家・武家に仕えた小舎人童(こどねりわらわ)も児童(少年)に限らず,さらには大寺院には〈稚児(ちご)〉とは別に,〈堂童子(どうどうじ)〉など〈童子〉と呼ばれる人々がおり,〈童形〉であった。また,京都の北,八瀬(やせ)の地には往古〈八瀬童子〉と称される集団があり,男女を分かたず長髪の〈童形〉姿であった。…

※「牛飼童」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」