世界大百科事典(旧版)内の状態像の言及
【精神病】より
…ちなみに,従来,癲癇をここに加えて〈三大精神病〉と呼びならわすこともあったが,精神生理学の進歩によりその本態が解明されるようになって以来,癲癇はここから外すのが一般で,残る精神分裂病と躁鬱(そううつ)病が〈二大精神病〉と呼ばれる。精神病の症状は個々に異なるので一概には述べられないが,ばらばらに関連なく現れるのではなく,それぞれ一つのまとまりをもつ特有な状態像または症状群を形成する場合が多い。その主要なものとして,(A)各種の精神病の初期に現れやすい不安・緊張・焦燥状態,(B)精神分裂病に特有な幻覚・妄想状態,(e)躁鬱病に特有な気分高揚状態とその逆の抑鬱状態,(D)外因性の病気に特有な意識の障害を中心とする錯乱状態,そのあとにくることの多い健忘症状群(またはコルサコフ症状群),(E)精神分裂病の慢性期にくることの多い欠陥状態,外因性疾患の中期以後に現れる痴呆状態などが挙げられる。…
※「状態像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」