世界大百科事典(旧版)内の状態変数の言及
【状態空間】より
…現在の位置と速度ないし投入済金額が過去のどういう経緯で到達されたものであるかは,今後のふるまいに影響を及ぼさない。このように,ある事物や現象の将来のふるまいを予測するために,いくつかの変数の現在値と将来外部から加えられる作用とを知れば足りるとき,いいかえるといくつかの変数の現在値が過去の履歴のうち,将来のふるまいに影響を及ぼす効果のすべてを集約して表現するものであるとき,それらの変数を状態変数state variableという。状態変数は,位置や速度のように連続量のこともあり,投入済金額のように離散的な量のこともある。…
【複雑系】より
…カオスとは,あるシステムが〈ある時点での状態(初期状態)が決まればその後の状態が原理的にすべて決定される〉という決定論的法則に従っているにもかかわらず,非常に複雑で不規則かつ不安定な振舞いをして,遠い将来における状態が予測不可能な現象のことである。特に,少数の状態変数からなる単純な非線形力学系においてもカオスが存在することは,20世紀末の科学技術に大きなインパクトを与え,その研究の流れはさらに低次元カオス系の理解を踏まえて高次元カオス系へ進もうとしている。このような高次元カオス研究が,現在の複雑系研究の理論的中核の一つをなしている。…
※「状態変数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」