独奏協奏曲(読み)どくそうきょうそうきょく

世界大百科事典(旧版)内の独奏協奏曲の言及

【協奏曲】より

…器楽協奏曲のうち,歴史的に最も古いのは合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソconcerto grosso)で,三つ以上の楽器を含む独奏群(これは元来〈小協奏部〉コンチェルティーノconcertinoと呼ばれた)と弦楽またはそれを主体とする合奏群(これは元来〈大協奏部〉concerto grossoと呼ばれた)とからなり,両者のあいだで音量や音色の対比が求められる。これに対して,18世紀の中ごろから主流を占めるのが単一の独奏楽器とオーケストラからなる独奏協奏曲(ソロ・コンチェルトsolo concerto)で,独奏楽器の種別に応じてピアノ協奏曲,バイオリン協奏曲,フルート協奏曲などと呼ばれる。これらの場合には独奏者の華麗な技巧が特に強調され,オーケストラは対等の相手というより,単なる引立て役として伴奏の地位に甘んじることも少なくない。…

【バロック音楽】より

…これには,舞曲の組形式を基本とする〈室内ソナタ〉と,よりポリフォニックな色彩が強く重厚な気分をもつ〈教会ソナタ〉の二つの系列があった(コレリ)。バロック的な音楽表現の申し子ともいうべきコンチェルトは,声と楽器をダイナミックにかけあわせる教会コンチェルト(ビアダーナLodovico da Viadana(1564‐1627),G.ガブリエリ)の形式を母体とし,次いでソロ楽器群とオーケストラとをダイナミックに対比させる合奏協奏曲(コレリ)の形態を経て,18世紀初頭には急・緩・急の3楽章からなる近代的な独奏協奏曲の形式を確立した(ビバルディ)。他方,コンチェルトと並んでバロックの管弦楽曲の柱となる管弦楽組曲(組曲)は,フランスの宮廷オペラやバレエの器楽的な抜粋(リュリ)という形から出発したが,やがてバロック後期には,独自の音楽形式として作曲されるようになった(テレマン,J.S.バッハ)。…

※「独奏協奏曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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