《獣人》(読み)じゅうじん

世界大百科事典(旧版)内の《獣人》の言及

【鉄道】より

…アメリカでは西部開拓の先頭に立った鉄道に対し,素朴な敬意を表し,機関車の力と躍動美を詩でたたえたホイットマンがいた反面,大陸横断鉄道を大地と庶民の血を吸ってふくれ上がる醜悪な〈タコ〉(F.ノリスの小説(1901)の表題である)にたとえる者もいた。トルストイは《アンナ・カレーニナ》(1875‐77)の中で,鉄道を神意の代行者として描いたが,ゾラは《獣人》(1890)において,個人の意志とは無関係に遺伝と環境によってはじめから決定づけられている人間を,破滅に向かって暴走する機関士もいない列車,それにまったく気づかない酔っぱらった乗客として描き,機関車を生物学的決定論の化身として登場させた。 欧米ではこのように鉄道が文化史上の重要な一要素となっているのに反し,日本では事情が異なっている。…

※「《獣人》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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