世界大百科事典(旧版)内の生態遷移の言及
【生態系】より
…すなわちバイオームは生まれ,成長し,成熟し,そして死ぬとし,群集有機体論を展開した。このクレメンツらの考え方は生態遷移の〈単極相説〉と呼ばれているが,タンズリーをはじめとするヨーロッパの研究者たちは幾多の事実を挙げ反論した。タンズリーは植物群落が気候,土壌,草食動物などの要因により異なった極相に達するとし〈多極相説〉を主張し,クレメンツらのバイオームと非生物的環境との作り上げる系を〈生態系(エコシステム)〉と呼ぶことを提案した。…
【遷移】より
…普通は植生の変化を意味するが,動物群集や生態系の変化を含めることもある。耕作を放棄した田畑が草原を経て森林に移り変わるというような長くても数千年の変化を意味し,気候変動や植物の進化に伴う地史的年代での植生の変化である地質学的遷移geological successionと区別するために,生態(学的)遷移ecological successionともいう。
[研究の歴史]
ヨーロッパにおける高層湿原の発達過程の研究によって,すでに19世紀初頭には,湖の浅化につれて植物群落が交代していくことが明らかにされ,遷移という概念が作られていた。…
※「生態遷移」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」