世界大百科事典(旧版)内の生成音韻論の言及
【音韻論】より
…英語の語頭ではplay〈遊ぶ〉,pray〈祈る〉のように/pl‐//pr‐/という子音の結合は許されるのに,*/tl‐/*/sr‐/のような結合は存在しない。
[生成音韻論]
最近,研究が進展したものに生成音韻論generative phonologyがある。1960年代よりN.チョムスキーは変形生成文法において,基底構造から変形規則により表層構造を派生させる方式を提唱してきた。…
【音声記号】より
…この方式は調音の機構を多角的に分析してはいるが煩雑に過ぎるきらいがある。(3)生成音韻論では,単音を調音的音声特徴に分解し,各特徴の有(+)無(-)による行列式の形で表す方法がとられている。図1,図2にみる規準により,舌先を用いるものが[+舌頂的](+coronal),用いないものが[-舌頂的](-coronal)とされ,歯茎より前の器官を用いるものが[+前方的](+anterior),硬口蓋歯茎より後の器官を用いるものが[-前方的](-anterior)と区分される。…
【単音】より
…このように単音の区分は必ずしも明確でない。生成音韻論では言語音声の流れの中でこれを構成する主要部分を分節音segmentと呼び,発話の音の流れを分節音に分けることを分節segmentationと称している。閉鎖音は,上顎に付着する上位器官と下顎に付着する下位器官が接触する〈閉鎖〉の段階と,この閉鎖がある時間続いて肺から出てくる空気をせき止める〈持続〉の段階,それに接触した上下の器官を引き離して破裂音を発する〈開放〉の段階から成る。…
※「生成音韻論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」