世界大百科事典(旧版)内の《産業変動論》の言及
【ケンブリッジ学派】より
…ピグーが経済的厚生増大のための生産,分配,安定に関する三つの命題を掲げたことに示されるように,本書は全体として〈光より果実を求める〉ケンブリッジ学派の実践的性格を反映したものであった。このうち第三命題は後に《産業変動論》(1927)へと発展させられたが,景気変動論はむしろ,彼の後継者D.H.ロバートソンの《産業変動の研究》(1915),《銀行政策と価格水準》(1926)などを通じて早くから展開されていた。 イギリス経済は,その後29年の大恐慌後の不況期に多量の失業者と遊休設備に悩まされるようになったが,そのなかでJ.M.ケインズの《雇用・利子および貨幣の一般理論》(1936)が出版され,〈供給は需要をつくりだす〉という〈セーの法則〉に立って完全雇用のもとでの資源配分を取り扱ってきた従来の経済学に批判を加え,いわゆる〈ケインズ革命〉をひき起こすことになった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」