世界大百科事典(旧版)内の申し子譚の言及
【申し子】より
…高僧伝の例としては,良弁(ろうべん)僧正の話が名高く,伊豆三島大明神の縁起によると,伊予国三島郡の長者清政が,初瀬(長谷)の十一面観音に願って授けてもらった子が後にワシに取られ,杉の梢に置かれていたのを助けられてさまざまな曲折を経て高僧となったとある。昔話にも申し子譚が多くみられ,そこでは,申し子は多くの場合,ヘビ,カエル,タニシその他の信仰動物の形をとってあらわれる。また人の姿で生まれる場合でも,一寸法師,五分次郎などのような〈小さ子〉や,桃太郎,瓜子姫,親指太郎などのように脛,親指,果実などから生まれる〈異常出誕児〉の形をとってあらわれることが多い。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」