世界大百科事典(旧版)内の《癡婆子伝》の言及
【好色文学】より
…元・明代の好色文学としては,《金瓶梅》が質量ともに空前の作品であるが,それゆえにまた,淫書としての汚名をも末永くこうむることとなり,人間性にひそむ好色と悪の衝動を鋭く描ききったその文学的価値については,顧みられることがまれであった。《金瓶梅》の亜流小説は輩出したが,明末の李漁の作に擬せられる《肉蒲団》を除けば同工異曲,わずかに清代の文語小説《癡婆子伝(ちばしでん)》が異色である。これら好色文学の流行とともに,その挿絵としての春画もまた,風俗画としての側面をにないつつ発展した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」