世界大百科事典(旧版)内の皇帝直属官房の言及
【ロシア帝国】より
…このほか有力政治家や皇族,廷臣が直接皇帝に働きかけることも可能で,この体制のもとでは政策の整合性と継続性,安定性は保証されにくかった。 ロシア皇帝でピョートル1世に次いで国務に精励したのはニコライ1世(在位1825‐55)で,彼はウバーロフの提唱した〈官製国民主義〉を専制のイデオロギーとし,皇帝直属官房を強化して文字どおりの親政を行った。直属官房は第三部がとくに有名であるが,第二部がエリザベータとエカチェリナ2世の法典編纂委員会もなしえなかった1649年の〈会議法典(ウロジェニエ)〉以降の法律の集大成〈ロシア帝国法律大全〉45巻(1830)と現行法を体系化した〈ロシア帝国法典〉15巻(1833)を完成したことは,ニコライ1世期の官僚制の整備とともに,君主専制の制度化・実質化に大きく寄与した。…
※「皇帝直属官房」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」