世界大百科事典(旧版)内の相空間の言及
【解析力学】より
…正準形式の重要な点は(2)の構造が相対論にももち越されることで,上例で,とすることで確かめられる(cは光速度)。
[相空間]
正準変数q1,……,qf;p1,……,pfの作る2f次元ユークリッド空間を相空間または位相空間phase spaceといい,(2)の解はこの空間における軌道群(異なる軌道は異なる初期値に対応)で表されるが,次のような基本的性質が備わっている。(a)体積不変性 体積Vの任意の領域を取り,その中の点すべてを(2)に従って追跡したとき(b)密度不変性 (2)に従う力学系の集団を考え,密度関数ρ(t,p,q)によって分布しているものとすると,上と同じ領域に出入りする(状態)点の総和はつねに0に保たれる。…
【作用量】より
…古典力学,または解析力学においては,作用量は歴史的にみても,また理論の構成のうえからも重要な意味をもつ基本量である。 一自由度の力学系の軌道が,一般化座標qとそれに対する正準運動量pの直交座標空間(相空間といい,今の場合平面,すなわち相平面)において,一つの閉曲線を描くとき,この閉曲線(閉軌道と呼ぶ)内部の面積は一つの典型的な作用量である。この例は,力学系が外部との間に熱的なエネルギーのやりとりなしでゆっくり変化を受ける場合,軌道が変形しても閉軌道内部の面積は不変に保たれるという断熱不変性の理由で重要である。…
※「相空間」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」