世界大百科事典(旧版)内の真珠養殖の言及
【アコヤガイ(阿古屋貝)】より
…産卵期は5~9月,雌雄異体であるが性転換もする。産卵後,ベリジャー幼生になったときを見計らってコレクターを水中に垂下してこれに付着させて幼貝を採取し,真珠養殖用の母貝に飼育する。1年で4~5cm,2年で5~6cm,4年で7~8cmに成長し,寿命は12年くらいといわれる。…
【英虞湾】より
…北岸は浜島町,阿児町,東は大王町,南は志摩町に囲まれた静かな内湾で,かつては西方のみ外洋に通じていた。1932年湾内と外洋との連絡を便利にし,さらに湾内の真珠養殖を冷潮被害から守るため通水をよくする目的で,船越・片田の旧村界線に沿って長さ550m,幅15mの深谷水道(船越水道)が先志摩半島の根もとで開削された。この水道の開通で真珠養殖は急速に発展し大中心地となり,タンポと呼ばれる金網の籠をつるした養殖いかだの点綴(てんてつ)する湾の代表的な風景を生んだ。…
【真珠】より
…アコヤガイなどの貝類の体内に,その貝殻と同質の炭酸カルシウムを主成分として形成された球状あるいは不定形の物質をいう。農水省では,(1)真珠養殖事業法にいう真珠とは,生きた真珠貝の中で球状または半球状(多少の変形を含む)に形成される代謝生産物であって,かつ,この外見しうる部分の主たる構成物質が,真珠貝の真珠層と等質であるものをいい(その内部に貝殻質から作られた核を含むか否かは関係ない),(2)この場合,真珠貝中におけるその形成契機に,まったく人為的な要因を含まないものを天然真珠といい,その契機を人為的に与えられるものを養殖真珠というと定めている。ここで真珠貝と称しているものは,真珠を作る貝を意味し,海産の貝ではアコヤガイ,クロチョウガイ,シロチョウガイ,マベ,アワビ,淡水産の貝ではイケチョウガイなどすでに産業に用いられている貝類をさしている。…
※「真珠養殖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」