世界大百科事典(旧版)内の《知性論》の言及
【キンディー】より
…バスラとバグダードで学び,アッバース朝のカリフ,マームーンとムータシムのもとで新来のギリシア哲学を咀嚼し,それをムータジラ派の合理主義神学と一致させようと努力し,ムタワッキルのとき正統主義神学の反動にあって迫害された。彼はアリストテレス哲学を新プラトン主義の立場で吸収消化し,イスラム世界におけるペリパトス学派の祖となるとともに,有名な《知性論》は,文字どおりその後のイスラム哲学の出発点をつくり上げた。数学,天文学,占星術,自然学,医学,薬学,音楽などについて約260の論文を書いたといわれるが,現存するものは少ない。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」