石州楮(読み)せきしゅうこうぞ

世界大百科事典(旧版)内の石州楮の言及

【楮紙】より

…コウゾの靱皮繊維は,長さ5~20mmほどで,強靱で絡みやすいので,薄くとも容易に破れないじょうぶな紙ができる。コウゾの年生産額は約400t(黒皮換算)程度といわれるが,その半分ほどを高知県で産し(土佐楮),ほかに茨城(那須楮)・島根(石州楮)・長野・福岡県などが多く,それぞれ優れた特色をもっている。土佐楮は種類が多く,その区別も厳密で,剝皮(はくひ)・水洗・晒(さらし)などの原料処理もていねいに行われている。…

【石州半紙】より

…島根県那賀郡三隅町ですかれている強靱な楮紙(こうぞがみ)。島根県西部(旧,石見国。別称石州)の石見紙の起源については,柿本人麻呂が始めたという伝説があるが,確かなものではない。奈良時代の《正倉院文書》には隣の出雲国は主要な産紙国として名が現れるが,石見国はみえないので,発展はやや遅れたかもしれないが,平安時代の《延喜式》では主要な産紙国に発展している。中世の石見国を二分していた吉見氏と益田氏のそれぞれの領地で製紙が行われ,その紙が中央に流通していた。…

※「石州楮」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」