世界大百科事典(旧版)内の砂糖革命の言及
【カリブ海】より
…
[奴隷制砂糖プランテーション]
1640年代にイギリス領バルバドスで始まった大規模な奴隷制砂糖プランテーションはこの海域の歴史にとって重大な転機となった。このバルバドスの〈砂糖革命〉はやがてリーワード諸島,ジャマイカへと波及し,18世紀後半にはサン・ドマングで,さらに19世紀にはキューバで著しい発展をみた。このように最盛期に時期の差があったものの,奴隷制砂糖プランテーションはこの地域のほとんどすべてをなめつくすように広まったのである。…
【キューバ】より
…その後18世紀末までキューバは人口も少なく,経済的にもさして重要性をもたぬ,牧畜とタバコ,砂糖を生産する小農的な社会の植民地にとどまっていた。
[砂糖革命以後]
しかし18世紀の末,隣のフランス領サン・ドマング(ハイチ)で奴隷反乱が起こり,その島の繁栄していた砂糖産業が壊滅したことや,アメリカ合衆国が独立してキューバの貿易相手として登場したこと,さらにキューバの開明的なクリオーリョcriollos(土着化したスペイン人)の地主階級が黒人奴隷の輸入自由化を求め,大規模な土地所有が可能になるよう本国政府に積極的に働きかけ,それらを実現したことなどによって,18世紀末から〈砂糖革命〉と呼ばれる大規模な奴隷制砂糖プランテーション産業が勃興した。さらに1840年代以降には鉄道や蒸気機関を導入するなどして砂糖産業はますます発展し,60年には早くも世界最大の砂糖生産地となった。…
【砂糖】より
…以上のどの植民地でも,サトウキビは黒人奴隷を労働力として栽培されたうえ,モノカルチャー化が進行したので,社会そのものが,少数の白人プランターと大量の黒人奴隷によって構成されるようになる。ふつうこのような変化を,〈砂糖革命Sugar Revolution〉とよんでいる。1804年にハイチ革命が起こり,07年にはイギリスが奴隷貿易を廃止すると,砂糖生産の中心はキューバに移る。…
※「砂糖革命」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」