世界大百科事典(旧版)内の砂鉄製鉄の言及
【鉄】より
…火山国である日本では,砂鉄はほとんどどこでもとれるため,砂鉄を原料とする小規模な製鉄が全国各地で行われたのである。 しかし砂鉄製鉄はチタン含量によって経済的,技術的に大きな違いがあるため,流通経済が発達すると,チタン含量の少ない地方の優位性がしだいに明らかになり,近世になると,送風装置としてのたたら(踏鞴)の改良と相まって,中国地方を中心とする鉄の生産と流通の体制が整えられ,東北地方を除く他の地方の鉄生産は衰退する。天秤鞴(てんびんふいご)の発明は17世紀末期,高殿(たかどの)たたらの完成は18世紀後期といわれるが,これによって送風に要する人員は半減し,年間を通じての操業が可能になり,作業能率は飛躍的に上昇,大量生産が行われるようになった。…
※「砂鉄製鉄」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」