世界大百科事典(旧版)内の神の栄光の言及
【宗教改革】より
…神の主権性を強調し,信徒の生活のきびしい倫理的規律を要求するカルバンの改革理念は,その不寛容のゆえにさまざまな反対勢力との闘争を余儀なくされたが,強靱な意志力をもってついにこの危機を切り抜けた。現世における〈神の栄光〉の実現をめざす行動主義は,反宗教改革の旗手たるイエズス会と戦闘的性格の点で類似しており,ジュネーブに創設された神学校は,スコットランドの宗教改革者ノックスをはじめ,多くの有能な宣教者の養成を通じて,プロテスタンティズムの拡大に大きな役割を果たした。カルビニズムは,伝統的社会秩序を重んずるルター派に比べると,資本主義的な営利活動の肯定,カトリックの君主に対する政治的抵抗を容認するなど,より自由主義的な性格をもっており,勤労者層のほか貴族の間にも支持を得て,フランスのユグノー戦争や,スペインの支配に対するネーデルラントの独立運動(八十年戦争)などで,その戦闘的なエネルギーを実証した。…
※「神の栄光」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」