神宮御師(読み)じんぐうおし

世界大百科事典(旧版)内の神宮御師の言及

【伊勢講】より

…講集団のつねとして,村落共同体に根ざす素朴な信仰形態を基盤にした集団が,伊勢参宮(伊勢参り)に重きを置く方式をとるに至ったと推定されるが,その媒介のはたらきをしたのは御師(おし)である。神宮御師の活動は平安末期から見られるが,彼らの指導・斡旋により講の結成が明確に見られたのは室町初期で,《教言卿記(のりとききようき)》応永14年(1407)3月24日条に〈神明講〉とその〈講親〉〈頭人〉が現れるのが初見であろう。その後全国各地に広がり,ほとんど村ごとに伊勢講(または神明講,参宮講)が結成されるに至った。…

【伊勢信仰】より

…室町時代になると足利義満・義持・義教など将軍自身の参宮が相つぎ,各地に伊勢講(神明講)の発達も見られて,一般民衆にまで参宮の風は広まった。神宮御師はそれぞれ各地で師檀関係を結び,檀家回りをし,御祓(おはらい)と称する神札を配って信仰を勧め,いっぽう勧進聖(かんじんひじり)たちが全国的に寄付を集めて宇治橋の架橋を達成するなどのことがあり,ついにキリスト教宣教師が本国に報じたように,〈かれらは,同所(伊勢神宮をさす)に行かざる者は人間の数に加ふべからずと思へるが如し〉というほどの景況に達する。これほどまでになったのは,おそらく民衆のあいだに,〈天照大神は一切衆生の父母〉といった信仰が形成され,これに加えて伊勢の外宮(げくう)の祭神たる豊受大神が食物神から,ひいては農業神として広く民衆の帰依を集めたこともあずかっているであろう。…

※「神宮御師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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