世界大百科事典(旧版)内の神話画の言及
【ボッティチェリ】より
…70年代には,一般にこの時代の作とされる3点の《三博士の参拝》(ロンドンのナショナル・ギャラリーの2点,およびウフィツィ美術館のいわゆる《ラーマ家の礼拝》)制作を通じて,写実と理想との均衡のとれた様式と,盛期ルネサンス絵画を予告する端正な求心的構図法とを確立する。そのような様式の頂点に存在するのが,《春》(1478ころ),《ビーナスの誕生》(1485ころ)など,一連の神話画である。これらは,他の追随を許さない精妙な描線と洗練された色彩が生む完璧な視覚美によって,彼の代表作であると同時に,西洋美術史上最も人々に愛好される作品となっている。…
※「神話画」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」