祥瑞改元(読み)しょうずいかいげん

世界大百科事典(旧版)内の祥瑞改元の言及

【陰陽道】より

…聖徳太子は冠位十二階や十七条憲法制定に陰陽道をとりいれ,国史編纂には国家の起源にこれを利用するところがあった。大化にはじまる元号制定は中国にならい,祥瑞改元(吉兆とされる現象をもって新しい年号をたてる陰陽道思想)によったもので,これは奈良朝を通じ踏襲されたが,平安朝に入るころから災異改元(天災地変など凶兆とみられる現象をもって新しい年号に代える陰陽道思想)に転じ明治維新までつづいた。白村江の戦以後,百済からの亡命や大陸留学者の帰還によって帰化人系陰陽家が多数活躍し,角福牟(ろくふくむ),僧法蔵,同行心,同道顕らが知られるが,朝廷では僧侶は還俗のうえ仕えさせたので,行心の子僧隆観は金財(たから),僧義法は大津首意毘登(おおつのおびといびと)と改めている。…

【改元】より

…日本における年号の使用は645年の大化に始まるが,その後断続があり,継続的に使用されるのは8世紀初頭の大宝,慶雲以降であって,改元行事もこのころから制度化したと考えられる。改元の理由にはおおよそ(1)代始(だいはじめ)改元,(2)祥瑞(しようずい)改元,(3)災異改元,(4)革命改元の4種がある。(1)は天皇の死もしくは譲位によって帝位の交代が行われた際のもので,即位改元ともいう。…

【元号】より

…代始改元は,孝徳天皇の即位の直後に大化の年号を定めたのに始まり,奈良時代には即位と同時に改元が行われた場合が少なくないが,平安時代からは806年の平城天皇の大同の改元の場合を除き,皇位継承の年に先帝の年号を改めるのは非礼であるとしてこれを避け,翌年に改元するのを原則とするようになった。次に祥瑞改元は,祥瑞を天意のあらわれとみて改元するもので,大化6年(650)2月穴門(長門)国司より白雉が献ぜられたので白雉と改元したのを初めとして平安時代にかけて行われ,とくに奈良時代には代始改元にもその半面に祥瑞改元の意味をもった場合が少なくない。しかし祥瑞改元が行われるのは平安時代前期までで,以後これに代わってあらわれるのは災異改元である。…

※「祥瑞改元」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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