秋葉三尺坊(読み)あきばさんじゃくぼう

世界大百科事典(旧版)内の秋葉三尺坊の言及

【秋葉山】より

…しかし火伏せの神として広い信仰圏を集めるようになった中核ともいうべき存在は三尺坊権現である。伝承によると三尺坊は信濃出身で,越後の栃尾蔵王堂所属の修験者であり,秋葉山に一千日参籠し火生三昧(かしようざんまい)の法を修し,神通不思議の験力を得,飛行昇天したので,秋葉山に合祀し秋葉三尺坊というようになったとも,秋葉山に大火が発生した際に三尺坊が現れ,火生三昧を修して猛火を止めたことにより火防鎮守としてまつられたとも伝えている。秋葉信仰【宮本 袈裟雄】。…

【秋葉信仰】より

…一方秋葉寺でも護摩がたかれ火渡りを行うほか,種々の天狗に対する七十五膳献供式がなされる。秋葉三尺坊と通称される存在は天狗とみなされ,秋葉信仰の火防神としての性格と密接に結びついている。秋葉信仰の各地への普及には,秋葉修験の布教も無視することができないものの,江戸時代中ごろ,火災に悩まされる江戸市中に急速に広まっているように,流行神(はやりがみ)的性格を持って広まったものと考えられ,1685年(貞享2)には幕府からも村々において秋葉権現を次々に送り渡すことが禁止されている。…

※「秋葉三尺坊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」