世界大百科事典(旧版)内の《科学的心理学草稿》の言及
【フロイト】より
…フロイトがメタ心理学と名付けた力動的・局所論的・経済論的な無意識に関する心理学と,フロイトの直接経験との間のへだたりや飛躍が繰り返し指摘されることがあるのは,上記のフロイトの思想形成の特徴に基づいている。《ヒステリー研究》の発刊年に書かれたノート《科学的心理学草稿》は,フロイト自身は発表する意図を放棄した論考だが,〈心的諸過程を明示しうる物質的要素によって量的に規定される諸状態として記述する〉と冒頭で明言している。この草稿はフロイトの思想の機械論的な一面をはっきり示している点でも,後年のメタ心理学の基本構想が展開されている点でも貴重である。…
※「《科学的心理学草稿》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」