世界大百科事典(旧版)内の科差の言及
【元】より
…歴代中国の統一王朝でこのような例は絶無である。内郡では田賦を穀物で納める税糧と徭役の代替として銀・糸(絹糸)を納入する科差とから成るのに対し,江南では宋の両税法に基づく税役法がそのまま適用されたからである。この場合,南宋平定後の江南に従来のまま両税法が施行されたのはきわめて自然であるが,問題なのは内郡に行われた税糧,科差である。…
【包銀】より
…モンゴル帝国支配下の華北の民に対しては属領の義務として駅伝維持・軍事協力を目的とする。各種の科差(徭役の物納)が賦課されていた。漢地の軍民統治を委託された漢人世侯は,当時の漢地が通貨(銅銭)の絶対的欠乏状態にあった関係上,代替通貨の機能を果たしていた糸料(絹糸)によってこれらの科差を徴集するのが一般的であった。…
※「科差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」