筑紫流箏曲(読み)つくしりゅうそうきょく

世界大百科事典(旧版)内の筑紫流箏曲の言及

【賢順】より

…明人鄭家定に七弦琴などを学び,善導寺に伝わる寺院雅楽(筑紫楽)および寺院歌謡を整理して,箏伴奏の歌曲を編集。これが筑紫箏・筑紫流箏曲と呼ばれ,北九州および江戸の佐賀藩人などに伝承されるとともに,門下の法水を経て八橋検校以降の箏曲を生むもととなった。のちに還俗して諸田蔵人賢順斎と号し,豊前の大友義鎮に仕えたが,不和となって肥前南里正定寺に逃れ,多久の竜造寺安順に招かれ,その夫人千鶴子などに箏を教えた。…

【箏曲】より


[歴史と分類]
 寺院芸能の一つとして行われていた〈越天楽歌物(えてんらくうたいもの)〉の類の歌曲を,組歌形式の箏伴奏のものに編集したのは,筑紫善導寺の僧の賢順であった。以後,この歌曲を,〈筑紫箏(つくしごと)〉ないし〈筑紫流箏曲〉といった。賢順の弟子の法水に学んだ盲人音楽家の八橋検校(やつはしけんぎよう)は,寛永(1624‐44)の中ごろ,庇護者である磐城平藩主内藤風虎の編詞によって,陰音階の調弦による箏伴奏の新しい組歌を作曲,これを普及させた。…

※「筑紫流箏曲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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