《算法闕疑抄》(読み)さんぽうけつぎしょう

世界大百科事典(旧版)内の《算法闕疑抄》の言及

【礒村吉徳】より

…江戸に塾を開いていたらしく,また,弟子も多かったらしい。彼の著《算法闕疑抄(さんぽうけつぎしよう)》(1659)は,《塵劫記》以来発達してきた数学の集大成で,そろばんを使って解答できる問題はすべて含まれているといってよい。《塵劫記》の遺題に解答を与えるとともに,自分も遺題100問を提出している。…

【遺題継承】より

…このように,和算が大きく飛躍するきっかけを作ったのも遺題継承による。和算を高等数学にまで程度を高めた関孝和も,礒村吉徳の《算法闕疑抄(けつぎしよう)》(1659)の遺題100問,村瀬義益の《算法勿憚改(ふつたんかい)》(1673)の遺題100問の解答集を作っている。関孝和が世間に広く知られるきっかけを作った著書の《発微算法》(1674)は,沢口一之の《古今算法記》(1671)の遺題15問の解答書で,本書の中で,関孝和は,文字係数の多元高次方程式の表し方を示したのである。…

【和算】より

…《塵劫記》以来,数学の問題が急速にむずかしくなったのは,この遺題継承による。 《塵劫記》以来発展してきた数学の各分野を集大成したのが礒村吉徳(?‐1710)の《算法闕疑抄(さんぽうけつぎしよう)》(1659)である。礒村は二本松藩の作事奉行で,本書はそろばんを使って解ける最高の問題がていねいに解説されている。…

※「《算法闕疑抄》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」