世界大百科事典(旧版)内の系譜関係の言及
【親族】より
…欧米や日本のように複雑な文化をもつ社会では,夫婦関係を含めて親族の体系をみ,夫婦関係を中心に親族生活が行われるが,他方では母子関係を中心に親族関係がみられる社会や,父子関係を中心にそれのある社会,また,結婚やそれに基づく居住の変化にかかわらず親族としての所属,系統には変更がない社会も存在する。【中野 卓】
【諸民族における親族関係】
親族あるいは親族関係とは,〈系譜関係genealogical connection〉によってつくられた関係のネットワークであり,かつまた系譜的な親子関係のなかの〈自然的〉関係をモデル化した社会的絆(きずな)によってつくられた関係のネットワークである。ここにいう〈系譜関係〉および系譜的な親子関係の〈自然的〉関係とは,人間の生殖と再生産による,いわゆる生物学的認識に基づいた関係ではあるが,それはあくまでも所与の文化における解釈を通じて認識された〈生物学〉的関係であって,近代遺伝学や生理学の知識による解釈に基づいた関係ではない。…
※「系譜関係」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」