世界大百科事典(旧版)内の紋ようじの言及
【ようじ(楊枝∥楊子)】より
…当時のようじはおおむね4~6寸ほどの長さで,材料としてはヤナギ,ハコヤナギ,コブヤナギ,クロモジ,カンボク(肝木),モモ,スギ,タケなどが用いられたが,これらの木はかむと一種の香気があるので,邪気をはらう効力があると信じられていた。当時行われていたようじの種類には〈総(ふさ)ようじ〉〈平(ひら)ようじ〉〈殺(そぎ)ようじ〉〈穂ようじ〉〈紋ようじ〉〈小ようじ〉などがあり,〈総ようじ〉は先端を打ち砕いて〈ふさ〉のようにしたもので,もっぱら歯を磨くのに用いられたが,《嬉遊笑覧》によると江戸時代初期に行われた〈壺打(つぼうち)のようじ〉や〈打(うち)ようじ〉もこの〈総ようじ〉の類であったという。〈平ようじ〉はやや平らな形の少し反って作った長いようじで,茶菓子などに2本添えて,はしの代りに用い,〈殺ようじ〉はスギの割り木などで作った。…
※「紋ようじ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」